相続放棄をした際に代襲相続は発生するか

文責:所長 弁護士 白方 太郎

最終更新日:2022年01月17日

1 相続放棄と代襲相続

 この記事をご覧の方が懸念されていらっしゃることは、もしご自身が相続放棄をした場合、配偶者の方やお子様が、被相続人の相続人になってしまうのではないか(そして、相続債務を負ってしまうのではないか)というものだと思います。

 結論から申し上げますと、このようなことはありませんので、ご安心ください。

 経験上、このようなお悩みを持たれている方はとても多くいらっしゃいますので、以下、その仕組みについて説明します。

2 相続放棄の性質

 相続放棄は、「はじめから相続人でなかったことになる」という法的効果を有しています(専門的には、遡及効果と呼ばれます)。

 自然科学的には被相続人の相続人(子、親、兄弟など)であることに変わりありませんが、法律の上においては、初めから存在していなかったという扱いになります。

 これに対し、代襲相続はあくまでも「相続人になるべき人」が、その直系卑属よりも先に亡くなっていた場合に発生します。

 相続放棄をした場合は、そもそも相続人になるべき人ですらなくなってしまうため、代襲相続が発生しないという形になります。

3 類似する事案には注意が必要

 被相続人が死亡した後、相続放棄の申述期限までの間に、相次いでその相続人が亡くなった場合(再転相続)には注意が必要です。

 代襲相続とは事案が異なりますが、どの被相続人について相続放棄をするかについて、慎重に検討する必要があります。

 このような場合、初めに亡くなった被相続人の相続のみを放棄するか、次に亡くなった相続人の分も相続放棄をするかを選択することができますので、財産状況等を確認し、判断する必要があります。

 また、被相続人に多額の債務があるなど、本来その相続人の方が相続放棄をすべき状況のまま相続放棄申述期限を渡過してしまい、その後相続人の方が亡くなってしまうと、さらにその相続人に債務が回ってしまうので、注意が必要です。

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