生前に相続放棄ができないかお悩みの方へ

文責:所長 弁護士 白方 太郎

最終更新日:2025年04月16日

1 相続放棄の原則

 相続放棄は「相続の開始があったことを知った時から三箇月以内」にしなければならないと定められています。

 「相続の開始」があり、これを「知った」というプロセスを経て、その時から「三箇月以内」というのが、相続放棄を行うことができるタイミングの要件です。

 相続は、被相続人の死亡によって開始されます。

 したがって、被相続人の死亡は、相続放棄を可能にする要件となります。

 言い換えますと、被相続人の生前には相続放棄はできないということになります。

2 混同されやすい遺留分放棄との関係

 生前の相続放棄と混同されやすい制度として、遺留分の放棄という制度があります。

 遺留分の放棄には、裁判所による許可が必要であり、許可要件も厳格ですが、生前に行うことができます。

 ただし、相続放棄と遺留分放棄は、まったく別の制度です。

 遺留分の放棄は被相続人の生前に行うことができますが、相続放棄は被相続人の生前に行うことはできません。

3 生前から準備しておくことが大切

 被相続人がまだご存命であっても、相続放棄をするべき財産状況であることが判明している場合には、事前に相続放棄の準備を進めておくことが大切です。

 1に書いたとおり、相続放棄の手続には期限が定められています。

 そのため、生前から手続の流れや必要書類について調べておくと、スムーズに手続を進めることができます。

 また、事前に、法定単純承認事由に該当する行為についての予備知識を調べておくことも大切です。

 被相続人が亡くなった後は、預貯金の使用や、動産・不動産の売却・廃棄、遺産分割協議等は、原則として行うことができません。

 仮にこれらを行ってしまうと、法定単純承認事由に該当する行為となり、相続放棄が認められなくなる可能性が生じます。

 被相続人が亡くなった後で、うっかり法定単純承認事由に該当する行為を行ってしまわないようにしておくことが大切です。

 法定単純承認事由については、こちらの記事でも紹介していますので、ご覧ください。

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